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2007.09.05 Wednesday

セルフライナーノーツ2

『きみは死んでいる/その他短編(Bバージョン)』
セルフライナーノーツ

all text hasegawaayumu phot:ishizawa chieko(リンクフリー・禁無断転載)



■再び『きみは死んでいる』ことについて。(『きみは死んでいる(女×女)』解説)


「Aバージョンでは、作品枠の話をしたので、こちらでは役についてなどを。まずAとBでバージョン違いをやるにあたって、性別のチェンジに伴う演出をいくつか意図的に変えました。A(男×男)はいわゆるストレートな直球で、B(女×女)はアレンジ版というか。AとBは若干「熱く」と「女々しく」の比率が違います。

あとコミューンの追っ手である男達がぐるっと変わってます。Aは「不動産会社の先輩と後輩」みたいな衣装と縦の関係を強調しました。Bは「ヒッピーっぽさ」を全面に出して、衣装もラフに横の関係を強調。ひらたく言えば「同性愛」も許容され「全員が家族であり、恋人であり、お友達」を掲げるコミューンを全面に出したつもりです。ビーサンで高級レストラン行く謎の金持ちっているじゃないですか。ああいう少し浮世離れした雰囲気です。

蛇足ですが、Bにおける男1と男2は「お友達」です。やがて来る「死」に対しての接し方がAだと縦社会的な事務的な殺人。Bだとどこか情緒的な興奮のある殺人。そこら辺のニュアンスが違います。酒巻&中川コンビの演技を見ててインスパイアされて、隠しながら見守ってったニュアンスなので、本人たちには伝えてません。伝えると壊れてしまうような気もしたので。」

「ラストの後半のバトルは、毎回演出席から「本気で殺せ」ってずっと心で叫んでた。本気でやってない日は本気で役者に叱ったし(笑)この気持ち、お客さんにも伝わってるよね?人が舞台に向かって「本気で殺せ」って叫びたくなる焦燥感が欲しい。特にBバージョンのマジバウトは目を見張るものが。男1が戸部を乗せて上がる瞬間が凄い。」

「余韻の話をAのときもしましたが、それを活かすため結子と同じように、結雄はこの次や他の短編には一切出ていない理由もそこにあります。我ながらkキャストの贅沢な使い方をさせて戴いてるなあ。と恐縮しております。」




■ミスチルを完全否定したい訳ではないけど、ミスチルって面白いよねって言えない世界が恐い。(『90%VIRGIN』解説)

「世代的な問題でミスチルにリアリティが持てなかった方はしょうがないんですけど、これはもう劇中で「ミスチル」って存在がメタファーに近いくらい、弄ばれてるんですよね。(「ミスチルの人」「ミスチルはもう沢山!正直過ぎる!」etc.)悲しいかな、ぼくもいつまでも若者ではないので世代的にも一個上に位置してるし(世代的には教師と同じ世代)だから父性的なもののメタファーでも一向に構いません。ミスチル好きでも全然いいんですよ、僕も完全否定するほど憎んでないし。ただ「音楽好きならミスチル好き」って「野球好きなら巨人好き」みたいな視点と、音楽雑誌とか「ロックっす」ってメディアが「ミスチルをロックじゃないと言わないのはロックじゃない」みたいな頭でっかちな擁護をしてるのが、本当に気持ち悪いなって思ってて。「ロック(笑)」って感じなんだけど。『Tomorrow never knows』のあのちゃちいオルゴールみたいなイントロ鳴ったら爆笑して死にそうになるじゃん。今回も女子高生の仲直りするクライマックスにわざと流してるんだけど、もうなんていうかそこで「笑い」が起きてると嬉しくなるよね。頭でっかちじゃなくてさ、もう直感でウケるって。みなさんもどんな映像にも『Tomorrow never knows』を上からかけて見てみてください。凄いから。まあ、ミスチルファンの男の子から戴いた「悔しいけど笑っちゃいます」という証言が一番正しくて嬉しいです。」

「あとDJミミコンのラジオの前振りで述べる
Hello Hello!This is a pen! こんばんは、DJミミコンです。歯ぎしりするような夜を送っているシックスティーン、明日が不安でなかなか寝付けないパパやママ、夜の街を宇宙飛行するタクシードライバーたち、今夜もDJミミコンが送るロックナンバーでなんとか夜を乗り切ってくれ、困ったことがあったらThis is a pen!ペンを取り、愛を書き殴って送って欲しい。今夜も愛を!愛を!愛を!

のくだりは全部、辻仁成のオールナイトニッポンを下敷きに書き換えてます。いや、とにかくね。かっこいいのよ。一周してとかじゃなくて。みんな辻仁成とか原田宗典とか判り易くて叩き易い人を叩くじゃん。俺から言わせれば辻仁成を笑うな、って言いたい。芥川賞穫ってミポリンと結婚してパリ在住って、その時点で勝ち組過ぎだっつーの。」

「この女子高生三人組のナンセンス&ハイテンポな会話は好評でありがたい限りです。以前やってた劇団では、こういう会話ばかり書いてましたから(笑)武器ではありますけど。まあ時代性を含め、これはいろいろなものを遡ってノー天気に突き放して書いてますね。はっきり言って主人公の真弓が抱えてる問題は僕にとって「いま」リアルな問題じゃないし。それはもう大昔の話だから誇張できるし残酷にも茶番に出来るし、あとは架空の青春ですよね。だからラストシーンの大人のみっともなさや、充のあの突き飛ばすようなオチもバランス取る為に絶対必要なんです。楽しかった茶番とリアルの繋ぐミッシングリングが充の「ダセーんだよ」なんだと思います。やっぱあそこも大人が子供を徹底的に殴られないとダメなんですよ。強いて言うなら、あのラストがぼくにとっての「いま」。」





■左とか右とか全部無し。「戦争」を扱いながらもイデオロギーとかがない新しい会話劇。(『戦争に行って来た』解説)


「これはぼくの好きなお洋服屋さんで飾ってたTシャツに『WENT WAR』って書いてあった気がして、へーかっこいいなって買ったら全然違った。錯覚だった(笑)まあ、勝手に訳したら「戦争に行って来た」って字面が天命だと思って、採用しました。

イラクの人質になって来た三人組がすごい面白くて。03年くらいのときにこいつら最高だなって喰い入るよう映像集めて。その後『バッシング』っていう、彼らをモデルにしてる映画が出たんだけど、彼らを被害者一辺倒で描いてて「全然違うだろ」って感触が。面白かったのはそこじゃねえ、と痛感しまして。彼らが最高だったのはまず「キャラが立ちすぎ」「動機が不純過ぎ」「家族達の政治色が胡散臭過ぎ」の3点盛りがテレビを通して、お茶の間に溢れちゃったんだよねえ。しょせん、戦地行くようなのってこんな奴らじゃんって化けの皮の剥がされ方があまりにもコントで。しかもその後、懲りずに自分探しで行って殺されちゃった青年は、しょうもない分お悔やみ申し上げますなんだけど、彼ら三人組はほぼ無傷だからね。自作自演説が流れるくらい、謎がエヴァンゲリオン並にあって(笑)なんつーかこの因果応報のブレ具合が半端無くてさ。反戦団体の人たちもそれで御飯食べてるひとたち、たくさん居る訳じゃん。だから、思想も大事なんだけど生活や欲も大事だよねって視点で書きました。

「(劇中の)こいつら、実はこれだけで食べれてなくて。結構カツカツでやってるよね」って話を俳優三人で勝手に膨らましてて、そうそうそう、それジャスト。そういうリアル感がいいよーって身震いした。平日働いて、土日は反戦みたいなさ。そういうリアルがいい。だからこの短編は戦争をモチーフにしながらも、遊んだり面白がる部分が生活に根ざしている為に、イデオロギーに全ッ然支配されてない。古臭い正義も、大袈裟な人間愛も、またまた安い偽悪もここにはなくて、いま現実がどうリアルかって場所に着地してる。これは明らかに新しいですよ。」

「ファミレスの窓1枚向こうで仲間がヤクザにボコられている、暴力。窓1枚隔てたこっちは、非戦闘地域。ファインダー1枚向こうを撮った写真はどんなに悲惨でも全部、嘘。嘘だから、本当が伝わる。そういうレトリックを散りばめながら、登場人物と観客が一体になって「考える」。この「考える」って作業が面白さに繋がり、アンケートでも1位を争う程の人気作になったと思ってます。最近無いでしょ?考える演劇って。でも考えることって、本来楽しいものだからさ。答えとか置いておいて考える。感じることより、考えることの方が重要だよ。感じるってことは前提だから、それを売りにしないで欲しい。「感じればいい」ってのは思考停止の為のダサイ言い訳に過ぎない。

話戻すと、イデオロギーの為のプロパガンダの演劇なんてキッツイじゃん。それは特攻モノの右なのでも、反戦反戦って左なのでもいいけど、とりあえず00年代において、全部キツいじゃん。演劇なのにあえて「言葉で、もうひとつ別の世界を示唆してる」とライターの方に指摘されて、それはすごい核心だなって感心してるんですけど。ええと、演劇だからシーンとか区切って「もう一個別の世界(戦争)をやって行ったり来たり」とかベタにしたら、それはちょっと上記のようなキツい演劇の類いの仲間入りだと僕は思ってるので。戦争を語るのに戦争を知らない人間が、戦争してるシーンを挿入したらそれは、絶対に嘘になる。ぼくが書きたい「戦争」は「戦争」そのものなんかどーでもよくて、こっち側から見える「戦争」へのリアクションな訳だから。現実のこっち側オンリーの視点から、ちゃんとあっち側を描かないと。それが一番誠実な気がする。日本の東京から見た戦争。」



>>セルフライナーノーツ<Aバージョン>
■何故"きみは死んでいる"のか?(『きみは死んでいる』解説)
■mixiとかblogとか全盛の時代に「あなたの日記、最高に「糞」だなって話で盛り上がってたんですよ」って言われる「痛さ」
■『×』=エクスタシー(『×』解説)
■本当は誰に『穴』が空いていたのか?(『変な穴』解説)



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→『きみは死んでいる/その他短編』公演情報TOP →http://www.mu-web.net/

■本公演はCSTV「theatre plateaux(テアトルプラトー)」で放送決定。見逃した方はそちらをお楽しみに。
■短編集の戯曲(台本)を近日発売予定。併せて上演を希望される団体(劇団、学生問わず)はお気軽にお問い合わせ下さい。
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