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2008.01.30 Wednesday

MU『愛の続き/その他短編』レビュー総合リンク



レビュアーの方、そしてアンケートからの転載、戴いた感想メール、webで見つけた素敵なテキストなどから抜粋・転載・リンクなど、『愛の続き/その他短編』の批評感想レビュー総合リンクページになります。随時更新。

他にも公演の御意見・御感想などはアンケートフォームか、こちらの↓コメント欄にBBSとしてお書き下さい。

『愛の続き/その他短編』の批評感想レビュー総合リンク


◆MU「愛の続き/その他短編」
 気になるセリフが突き刺さる 信じている言葉本来の魔法
 木俣冬(文筆自由労働者)


演劇批評・レビューサイト『wonderland』より一部転載

「他者と話している時、なにげない瞬間にふと漏らした一言こそが大事だったりする。ハセガワアユム氏が意識的なのかたまたまなのかはわからないが、2本の短編で、気になるセリフが一言ずつあった。「苦ぇ…」と「喪服みたいですね」。その瞬間、物語ははじまった。(あくまで私の中でだけど。)」

「舞台面は五角形。舞台の奥の壁は、中央は本棚。その両脇は出入りできるドア。『愛の続き(の続き)』では、テーブルが置かれ、喫茶店と主人公のマンションに変化する。『5分だけあげる』では上手に黒板が現れ、教室になる。あと、主人公の保護者が集うファーストフード店にも。装置も照明もアンバー系が基調になっている。

 『愛の続き?』は、元カレ・佐倉のことをまだ忘れられない元カノ・松田が、元カレの悩み相談に乗っているところからはじまる。佐倉は人気漫画家でストーカーのようなファンの執拗なファンレターに困惑している。松田は相談の続きを家でやろうと言われついついついていく。そのマンションは今の彼女・田中と一緒に暮らしている場所だが、その日彼女は留守なのだという。好きな漫画に異常な思い入れを抱くファン兄弟と、揉めている田中と佐倉たち、元カレを忘れられない松田、それをみつめる先輩・土橋。それぞれの思いが、バカバカしく、激しく、交錯する。」

「へんなファン兄弟が漫画を書き直せと刃物をもって迫り、絵は田中が描いているから描けない佐倉に代わり、漫画を描こうとする松田。でも絵がヘタ過ぎたために、さらに代わりに漫画を書き出す土橋。メカ専門のアシスタントだから、漫画の主人公をロボットにして描く。クライマックスに登場人物の感情がそれぞれ高まり、グングン温度が上がっていったところに、フッと、できあがったとんでもない展開になった漫画を「おもしろい」と喜ぶファン兄。その緊張の後の弛緩のタイミングが実に気持ちよかった。続きを見たくて包丁を振り回し、土橋に殴られ、気絶(死んでる?)してるファン弟に兄が嬉々として漫画を見せようとしてでも起きないままカットアウトする照明のタイミングも絶妙だった。テクニックって重要だよなと思う。

 物語は、松田の元カレへの断ち切れない思いと平行して、土橋の松田への思いが軸になっている。それは、冒頭、喫茶店で、妙に松田と佐倉に関わっていった揚げ句、コーヒーを一口飲んで「苦ぇ…」とつぶやき出ていくという部分ですべてが描かれている。

 たくさんの登場人物が個性を振りまき、たくさん自分の思いをはき出しているのだが、「苦ぇ…」だけが突き刺さる。この言葉の配置はまるで果てしなく広がる海岸の宝探しみたいだ。」

「さて次の『5分間だけあげる』。小学校の授業参観を目前に、教師・梶浦は、教室に爆弾を仕掛けようと準備している。梶浦は冷えた学校に絶望していたのだ。学校では校内の噂を語り合う裏サイトが存在し、そこでは目を覆うような告発が常に行われていた。副担任の小笠原はそれを嬉々として見ていた。

 運命の日。授業参観は梶浦への当てつけにボイコットされようとしていたが、たった2人の生徒だけが参加する。この街に嫌気がさしている彼らは前日校内で結ばれ、街を出ようと考えていた。女子生徒ミサ役の辻沢綾香氏は、明らかに小学生女子には見えないし、首筋のほくろなどが妙に色っぽすぎるくらいだと思って見ていたら、小学生で処女喪失した役だったので、納得してしまった。

 この小さな恋人たちの問題を巡って保護者達が大騒ぎして、授業参観というか、梶浦の計画が台無しになってしまう。

 この物語も、もっともらしい顔をして日常を生きている大人たちが、実は影で不倫をしているなど、裏がある。クライマックスにはその裏に隠していたものを吐露して教室内と同時に、観客の感情を沸騰させていく。

 梶浦は授業でよく「5分間だけ時間をあげます」と言って生徒に内省を促していたが、その意味を理解する人はいなかったというエピソードに、どんなに言葉を尽くしても意味を成さないと思わせる。梶浦は携帯の告発サイトの情報量にも「本当のことはない」と言う。そのあたりは、よくある物語の構造だと思う。ただ、そのサイトを懸命に見ている何もわかってなさそうなお気楽な小笠原が、これまた『愛の続き?』と同様、冒頭に何気なく梶浦に放った「喪服みたいですね」の一言が的を得ている皮肉。

 で、こちらの幕切れは、残り少なくなった時限爆弾の爆発までに、小笠原(※本田シュートの間違い・MU注釈)を逃がそうとする梶浦の姿。非常に申し訳ないが私の勝手な印象でここの照明はフェイドアウトだったかなという記憶。違ったら本当にすみませんが、心象としてはフェイドアウトだったのだ。それがまた、放課後の定番のドボルザークの『新世界』とか、映画のちょっといいシーンによく使われる『G線上のアリア』みたいに、梶浦の学校とか人生への決別みたいに見えた。

 作家ハセガワアユムは現代ニッポンの言葉を疑っているけれど、言葉の本来の魔法を信じているんじゃないかとこの2本を見て思った。ポエトリー・リーディングみたいな公演だなあ。」

【筆者略歴】
 木俣冬(きまた・ふゆ)
 フリーライター。映画、演劇の二毛作で、パンフレットや関連書籍の企画、
編集、取材などを行う。キネマ旬報社「アクチュール」にて、俳優ルポルター
ジュ「挑戦者たち」連載中。蜷川幸雄と演劇を作るスタッフ、キャストの様子
をドキュメンタリーするサイトNinagawa Studio(ニナガワ・スタジオ)を運
営中。個人ブログ「紙と波」(http://blog.livedoor.jp/kamitonami/
・wonderland寄稿一覧:http://www.wonderlands.jp/index.php?catid=3&subcatid=33


■『playnote』さんより
http://www.playnote.net/archives/000967.html

「『愛の続き(の続き)』と『5分だけあげる』の二作を鑑賞。いずれも西山聡氏がカカかよってくらいに八面六臂の大活躍を見せていたが、さすがにバランスのいい布陣。」

「『5分だけあげる』が出色であった。モンスターペアレントの話にせよ、蕎麦屋の人にせよ、小学生同士の恋にせよ、学校の先生たちにせよ、不倫にせよ、いずれもいくらでも膨らませられそうな物語の萌芽を孕んでいる分、どれも描き足りない印象を受けたが、恐らくそれがファミレス的印象の理由だろう。」

「根津茂尚氏演じる梶浦先生には底の見えぬ漆黒を感じて実に心地よかった。終演後、根津さんに「いい役だった、中身が知りたい」と言うと、「俺に聞くのが間違いだよ、果たしてきちんとわかっているのかどうか」と謙遜めいたことを言っていたが、野暮なことを聞く覚悟ででも主宰のハセガワアユム氏にあれこれ突っ込んでみたら面白かったかもしれない。ある意味では主役である梶浦先生も十全確実な読解ができるほど描き込まれていないのだが、それが却って想像力を掻き立てる。他のキャラクターが世のカリカチュア的な役割を担っている以上、どこかで見たような印象や特徴を持っていることはむしろ肯定的に捉えた方がいいのだろうが、梶浦先生はぶっちぎりユニークで、印象としては地味なのにきちんと物語の中核にいた。彼の心理には興味がそそられる。所詮人間なぞ解釈不可能で矛盾含みのものなのだが、そういう矛盾を内包したキャラクタリゼーションが、ファミレス的パステルポップな世界観の中に点と落ちる作者のそれこそ心の闇を裏書しているようで、そこにしびれる、あこがれる、という感じであった。

二本観ただけで何かを判断するのは早計なのだろうが、ドライな中にロマンのある作風で、かつ笑いや構成の妙など技巧を感じさせるものであった。何か現代を達観しているような様子でありつつ、その実一番未練と浪漫に溺れているような作者像を予感させる。

ややこしいことをいろいろ書いたが、これで2500円なら実にお値打ち。シニカルに見えてロマンチックな作風はいろんな人がいろんな角度から見れるだろうし、役者もいいので、興味がある人はご覧になるといいですよ。」


■『休むに似たり。』(かわひさんによる小劇場中心の週末シアターゴアー)より
http://kawahira.cocolog-nifty.com/fringe/2008/01/mu_7023.html

「「愛の〜」は、別れた二人、近づきたいのに近づきかねる微妙な距離感。たぶんAプロでは、男が未練たらしく忘れられない側になっていて、多分そちらの方が自然な仕上がりだろうと思います。男が未練で、女が今ひとつ元サヤに乗り気でない方が自然に感じられそうで、ってのはアタシがおかしいですかそうですか。男女入れ替えのBバージョンにあたる今作は、ちょっとそのタメに作られたような違和感があります。

同級生たちの狭い範囲で交錯する想い、時間が経つにつれていいだせなくなったり。シンプルで、しかし解決できない個人的な想いに逡巡する感じ。クリエーターな人々ばかりが出てきたりとバランスは良くないけど、それも含め設定といい、オチといい、漫画的でデフォルメされた感じはあって、小さい劇場で短編ゆえに一気に観てしまう感じ。

「5分〜」も、物語というよりは逡巡する作家の気持ちが着地点を求めてさまよっている感じ。小学校での現代版小さな恋のメロディー(いや、ずいぶんと深刻だけど)と、モンスターペアレントに対峙する教師の苦悩。しかし当の両親たちも苦悩を抱える三竦み。

小学生を演じた二人、松下幸史・辻沢綾香が最初こそ出オチだけど、そのうちに小学生っぽく見えてくる魔力でなかなか。気の弱い副担任を演じた浅倉洋介は一本目のヤンキーもどきとの振れ幅も含めて、劇団ではなかなか観られないキャラクタで面白く。」
(一部抜粋)

■脚本家・演出家ブラジリィー・アン・山田(ブラジル)の活動日記blogより
http://ameblo.jp/brazilyamada/entry-10067453268.html

「「5分だけあげる」名作。衝撃的な作品ではないが、全てのピースが巧く、はまっている。ブラジル劇団員、西山聡もリアルでありながら、キャラ立ちした芝居を見せ、頼もしい。あひるなんちゃらの根津さんもいいし、双数姉妹の辻沢さん、おばちゃんキャラの平間さん、ほか、出演していた全ての俳優さんが有機的に機能している。素晴らしいし、若い才能に素直に嫉妬。

■『KINSEN洞』さんより

http://ameblo.jp/kinsen-do/entry-10067057946.html

「当日券で、お尻痛かったけど、完全に面白さのほうが勝ってた。ていうか今年ナンバーワン決定(暫定)!今年まだ4本目だけど。

演者さんが全員良かった。台詞自体も言い方も面白い。後に見たからか「JUMON」の印象が強いです。富士山アネットという劇団に出ていた足利彩さんが良い!アネットは台詞なしで古典やるので、演劇というよりコンテンポラリー・ダンスに近い。そこでもしなやかな肢体を健康的に魅せていたが、格段にこっちでしょ!言い方グッドだぜ!てのが多し。」
 
「キャラクターが面白ければ(個性的ということだけに非ず)ストーリーなんてなくてよい。テーマなんてもってのほかだ!と開き直ってさえいました。が、本日初めて見たMU作品には、台詞、シナリオそのものの面白さ、演者さんの面白さ、そして「愛の続き」には恋愛というテーマでシリアスなドラマがあり、すべて同居させてもどれかに寄りかかることなく、ポップにシュールに時にベタに笑わせることに成功されていることが素晴らしいと思い、テーマも登場人物のキャラクターも話の軸にちゃんと絡んでいけるんだと思いました」

「話の展開、演技のみならず、装置や場面設定も面白かったです。同じ部屋を喫茶店として、その後自宅として使う間に、話に絡めて登場人物が片付ける、とか、壁があることになっているからここは廊下で、部屋にいる役者には見えないんだな、とか。 転換を薄明かりにして俳優がやるのも面白かったです。何か面白いものを見たり聴いたり読んだりしたあと私はたいてい「何かやってやんぞー!!」というポジティブな気持ちになるのですが、本日見たMUが期せずして超おもしろかったので「芝居見るのって楽しい!」と純粋に思え、しばらく鑑賞者でいいかなというか、結局、主宰・作・演出のハセガワアユム氏に嫉妬しているのです。」(一部抜粋)


■『ヒスバナ アラカルト』(香西善行の雑記ドコロ)さんより
http://blog.goo.ne.jp/k-yoshiyuki/e/71c1212a9f8fc2f0ce05cebbd8a83a39

「チラシからポップなモノを想像していたがそんな感じではなく少し残念……でもなかった。「愛の続き」から観はじめ、いきなり説明多過に感じたが主人公が漫画家とわかれば途端に面白くなる。フキダシにはまるセリフ、過剰な行動など実に漫画的感覚で進んでいく。ともすると白けがちだが役者の力も大きく楽しかった。それは「JUMON」のaiko…、あ、アイコ役の平間美貴氏の快演ぶりにも通ずつところ。柱となりワイドショーネタを昇華させていた。

「5分だけあげる」が一番好み。教壇の中にダイナマイトだとか大人になりたいがための性体験だとか、まあ、無くていいけど在っちゃう崩壊さが好き。重いテーマのオンパレードをバカバカしく笑いながら、不安はしっかり蓄積されていくような気分だった。」
(一部抜粋)

■zumomoさんのblogより
http://ameblo.jp/zumomo/entry-10066631540.html

「四作品とも様々な愛が描かれますが、共通している認識は「愛とは捨てる事」としている点です。
この「捨てる事」の解釈は相手を開放してあげる事という意味です。作品「愛の続き」の主人公である女流漫画家は数年前に恋人と別れますが、お互いの愛が成長する事を願って別れています。
また、作品「愛の続き(の続き)」の中では友人のセリフとして「愛とは捨てる事」だとハッキリ言わせていました。作品「JUMON」、「5分だけあげる」に於いては、相手を自由にさせてあげる表現が描かれていました。」
(一部抜粋)


■フライヤーのイラストを描いてくれた女優・山乃花絵さんのblogより

http://hanae.at.webry.info/200801/article_2.html

「恋愛や、んーなんだ生きることにつきまとう、「空しさ」が、この物語たちそのもの、みたいな。作品中の空しさや絶望、その先にカタルシス、ではなくね。このひとたちこんなに足掻いてんのに、観客にそういう面でのカタルシスはさせねえ!ていう作者のサド臭がむんむんと(違ったらどうしよう・笑)。おもしろい。舞台で起こることは、雰囲気は勿論あるけど、あくまで事実(物語の上での)。それ以上でも以下でもないよっていう。クールなの。上手くいえないなあ。だからさー物語自体がさ、空しいんだよ。あ、悪口みたい。そうじゃなくてね。面白いの。こういうことになってたのか。初演出てるときわからなかった・・・あ、あと今回の出演者皆すごい好き。 」

■ヲトメ塾プロデューサー・安元Pさんのmixi日記より


「ハセガワアユム率いるってひとりぼっちだけどMUを観てきました。『愛の続き(の続き)』と『5分だけあげる』を観劇。寺部くんが出てるかと思ったら普通にロビーにいてびっくり。違うプログラムだったのね。ごめんよ。

前作もそうだけど、ジャケ買いしたくなるタイトルがやっぱり好みだった。『5分だけあげる』って何よ!?上から目線!嫌な男!ムキーッ!でも好き。みたいな。少女漫画ど真ん中なツンデレタイトル。ほんとにヒドい話だからダイナマイトでぶっ飛ばしたくなるわ。うん。納得。

少女漫画を書いたらしいハセガワアユムは、やっぱり女の子にヒドい作家であり、演出家だと思う。相変わらず言葉巧みな作家さんだから、ハセガワ節をものにしてる役者さんにバラツキがあったけど、西山さんも素敵だったし(小柄な男好き)、弟役の人もなんとなく素敵だったし、松下君も小型劇団ひとりみたいで良かった。女優さんもみなさんお上手でした。

夜にゴールデン街で山田広野くんと清水くんと飲んでMUの話をしたら、清水くんは面白い感想を言ってた。山田くんは「ああ、今話題のやつですね。」だって。日曜日の昼が狙い目みたいです。後は完売らしい。すごーい!」

■『ミロール』で公式レビューを寄稿してくれたQu'itosさんの日記より

「投げ出されたパズルのピースがギュッと凝縮されて、そこから映し出された絵のどこかに、確かなメッセージを感じていた。かなりラストの切れ味が増していて、心地よかった。50分くらいの作品が2つ。これを短編と呼ぶべきかは正直分からない。ただ、ブレーキをかけずに一気に駆け抜けるその姿勢は、「短い」という言葉が持つ語感にはすごくフィットしているとは思った。 とにかく、今はすごく満足な感触が残る。」

MUは今回もあらすじを事前に公開。いいなあ、この姿勢。ハセガワアユム氏は映画の予告編を例に出していたけど、全くその通りだと思う。ある程度の情報はもらえないと、観に行くか否かの決断が難しいからね(往々にして踏み切れない)。結局大損なんだと思う。現状、ほとんどがフライヤー情報プラスアルファしか観る側に伝わっていないことって。 これは、個人的意見だけれど、あらすじくらいのネタバレ(?)で、つまらなくなるような作品って、もともとつまらないものなはずだよね。ただ、サプライズとしてやったり感にカモフラージュされているだけで。」

「全体を通して、前作『きみは死んでいる』よりも受け入れやすくなっていたと思う。「好き」「嫌い」は分かれるとは思うが、少なくとも「拒否」される感覚はないはず。作品を受け取って、考えて、それで「嫌い」というのは、決してネガティブじゃない。むしろ、そこまでの化学反応を起こせたのなら、創り手側にとっては逆に満足がいくものだろう。

ただ、最終的な鋭さは全く失われていない。前作が鋭利な刃物が前面に出ていたけれど、今作は目に見えないところに引っ込めてあっただけ。第一印象がよりソフトだっただけに、より強く刺さってきたとも思える。」

「2本目の『5分だけあげる』の最初に、「結果じゃないんだ、大事なのは過程だろ」という何気ないシーンがある。(台詞は大意)これは、僕個人としてのベスト。さらっと出てくるあたりが、素晴らしいセンスだった。

この物語は、「感じるよりも考える」というテーマがある。
感じて容易にアンサーを出すよりも、そこまでのプロセスを大事にしたいという現われでもあるし、逆にプロセスをしっかりとしてきたなら、どんな結果でも怖くないと言う裏返しでもある。もちろん、家庭に問題を抱えているという伏線も見え隠れしていたし、これからの自分のばかげた行動を1つの仮定として突き放している面も感じられた。

最後に爆弾を前にした2人が、「死」という結果だけで逃げ出さずに、そのプロセスで必死に考えようとしている姿が印象的だった。 爆弾が本物かどうか、死んでしまうのかどうかはどうでもいい。それより、そこに向かう自分自身と対峙するバカだけどピュアな行為が僕はとても好きだった。」


■まだまだ随時更新していきます!
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